ある夏の沖縄、16歳の少女レイは米兵2人に暴行を受ける。
10年後、レイは自分の中に宿る深く重い何かを取り除くため、アメリカに帰国した兵士に対面しに行く…その過程でレイは、何も知らない兵士の息子パリスに出会い、父親と瓜二つのパリスを誘拐してしまう。
ストーリーはレイと少年パリスに焦点を当てる。傷を負ったレイと、何も知らない兵士の純粋な息子パリスが過ごす複雑な時間と、レイがたどり始める人間回復、レイとパリスの近くとも遠い関係が徐々に収縮して行く、その瞬間を映し出す。そしてレイが自身の経験を少年パリスに伝え、真正面から向き合う様子が、美しい沖縄の自然とともに迫真の演技で表現される。この映画は、何の共通点もないかのように見える二人が、異文化と悲しい過去を、ともにぶつかり合いながらも乗り越えようとする物語でもある。